削る道具~その2
投稿日:2019年4月9日
カテゴリ:未分類
今日は、昨日お話したダイヤモンドポイントをつける本体の方のお話です。本体は通常どこの歯科医院にも、エアータービンとコントラアングルというものがあります。歯科医院で歯を削ると言えば、あのキーンという音と共に恐怖の時間が始まるイメージだと思いますが、それがエアータービンです。
酒井歯科医院では、15年以上前からほぼエアータービンは使っていません。コントラアングルにマイクロモーターを搭載した、5倍速コントラアングルというものを使っています。現在この普及率はまだまだです。
なぜ、酒井歯科医院が5倍速コントラアングルを使うのか。
エアータービンは分速30万~50万回転します。このような超高速で回転すると、歯と削る道具の接する部分には「摩擦熱」が発生し、歯や神経に少なからず負担をかけることになります。歯の神経は熱に非常に弱いため、治療中に絶えず水が出るのは歯を冷やしているのです。この「摩擦熱」をいかにコントロールするかが、歯の神経の温存には重要になります。5倍速コントラアングルは4万回転という低い回転数で削ります。エアータービンに比べ力があるので高速でなくても削ることができます。高速でないので、「摩擦熱」の心配も軽減できます。
また、エアータービンの回転スピードは細かい微調整ができませんが、5倍速コントラアングルはそれが可能なので、切削量をコントロールしやすいのです。これは、エアータービンにはできない技です。超低速回転にもできるので、細かいところを精度を上げて削り仕上げることができます。
さらに、5倍速コントラアングルはエアータービンと比べて、ダイヤモンドポイントの回転軸の「ブレ」が少ないのです。高速回転のエアータービンのはつきものの軸ブレは、削った周りの部分に」チッピング」と言われる細かいヒビを人工的に作ってしまいます。この「チッピング」から、新たな虫歯が発生しやすいのです。この「チッピング」の発生を可能な限り抑えられるのが低速でも削ることができる5倍速コントラアングルの最大のメリットです。
おまけに、5倍速コントラアングルはとても静かです。エアータービン特有のキーンという音をなくし、ストレスのない治療を目指しています。
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